The jury is still out:陪審員はまだ戻らない

陪審員が戻ってこない。どこから? お昼とかトイレとか。いえいえ違います。別室です。別室でまだ協議中なのです。この被告人は有罪か無罪か。文字通り、白黒つけられないでいるのです。

the jury とは、12人の陪審員(jurors)からなる陪審員団のことです。通常は民間から選定されます。いわゆる普通の人々です。

たとえば米国のように、陪審制を採用している国では、陪審員たちが法廷(courtroom)で検察官と弁護人の言い分を聞いた後、別室に移動して被告の有罪(guilty)無罪(not guilty)を協議し、結論が出たら法廷にもどって裁判長に評決(verdict)を伝えます。

陪審員が別室から戻らないのは、まだ協議が続いているからです。

白黒つけられない。結論が出ない。意見がまとまらない。法廷でなくとも起こることです。なのでこのフレーズは法廷以外でも幅広く使われます。

The Free Dictionary と EnglishClub からビジネス寄りの例文をひとつずつ。

A: Are we proceeding with the ad campaign?
B: The jury is out on that. We want to bring in a few more focus groups.

「この広告キャンペーンの話を進めるつもりかい?」と訊ねるAにBが答えます。「それはまだ未定。もうちょっとリサーチをやりたいところだね」

The jury’s still out on who’s going to be the new CEO, but we should find out soon.
「誰が次のCEOに就任するのかまだ分からないが、遠からず発表されるだろう」

Oyster English は多くの例文を載せています。裁判寄りの例文もありました。

The police think it may be a murder but the jury’s still out on the cause of death.
「警察は殺人かもしれないと考えているが、死因はまだ分かっていない」

余談ですが、アメリカの家庭でお世話になっているとき、ホストマザーに「陪審員に選ばれました」というお知らせが来ました。めんどくさいな、と舌打ちする人々がいる一方、選ばれたことを誇らしく思う人々もいます。私のホストマザーは後者でした。誇らしげな彼女の笑みがいまも忘れられません。

さて。

週末の予定は? 新しい学校はどう? 進路はどうするの? プロジェクトの進捗は?

まだ決まってない。結論を言うには時期尚早。そんなときはぜひ使ってみてください。

Well, the jury is still out on that.

今回はこのへんで。ごきげんよう。

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