いまさらですが「ボリューミー」はどちらかといえば日本語です。グルメ番組の食レポなどでよく使われる和製英語です。まあ確かに、ボリューム感はよく出ているけどね。じゃあ英語で「特盛り」って言いたいときは?
ボリューミーは和製英語
「ボリューミー」は「量が多い」さまを表す和製英語ですが、最も頻繁に使われるのは「食べ物の量がとても多い」というときです。しかも、「テーブルの上にたくさんの料理が並んでいる」文脈ではなく、「皿の上に盛られた料理が多い」場合に限って使われます。たとえば、直径 30 センチのお皿に直径 25 センチのバーガーと、その周囲にこぼれんばかりのフライドポテトが載っていたら間違いなく「ボリューミー」です。
食べ物以外では、「ゆったりとした衣服」などにボリューミーが使われるようです。ファッション記事などでも「ボリューミーなスカート」のような表現を見かけます。
正しい英語は voluminous
英語には voluminous という単語があります。意味は「ボリューミー」とほぼ同じ。ただし、「食べ物の量が多い」という意味で使われることはあまりありません。何を形容するのかというと、主に「衣服」と「書物・文書類」です。ふんわりしたスカートとか、ゆったりしたコートとか。膨大な量の報告書とか、大河小説とか。
たとえば。
Her voluminous silk dress billowed out behind her. (Cambridge)
「ゆったりしたシルクのワンピースが風をはらんで膨らんだ」
The voluminous report has been sent to Congress. (Longman)
「膨大な報告書が議会に提出された」
ちなみに、Google で voluminous を画像検索すると、ロレアルのマスカラの画像がずらーっと出てきます。VOLUMINOUS は ロレアルの商品名なのですが、瞬きするとバサバサ音がするような「ふさふさまつげ」は voluminous eyelashes です。
大盛り・特盛りと言いたいときは?
結論から言いますと、基本、big と large があれば、皿の上に料理がたっぷり載っている状況は表現できます。ほかに huge と massive を覚えておくと表現の幅が広がります。どちらも「巨大・膨大」を意味し、汎用性が高く、食べ物に限らずいろいろな場面で使えます。
I think I’ll take an extra large helping.
「特盛りにしようかな」
That’s a big dish!
「すごい量だね」(ディナーの相手の皿を見て)
That’s a lot of food!
「すごい量だね」(ディナーの相手の皿を見て)
Oh my goodness! It’s huge!
「でかっ」
確かに、英語に「ボリューミー(volumy?)」という単語はありません。ヘンな英語(日本語?)だからと嫌う人もいるでしょうが、和製英語の「ボリューミー」はボリューム感がよく出ているおもしろい言葉だと個人的には思います。
「ボリューミーは和製英語である」こと、「英語の voluminous だってちゃんと知ってるよ」ということだけ、ちゃんとおさえておきましょう。
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