move the needle:針を動かす?

体重が1キロ2キロ減ったところで見た目はあまり変わらない。でも体重計に乗ってみれば、その変化は針の動きで分かります。このように「目に見える変化(効果)」を生じさせるとき、英語ではしばしば move the needle という表現を使います。

たとえば、Macmillan は to make a significant difference、The Free Dictionary は to cause a noticeable change in something と説明しています。それぞれ「顕著な違い」、「目に見える変化」をもたらすとなっています。

ちょっと話は逸れますが、日本語には「やってる感」というおもしろい言い回しがあります。やってる感を出すとか演出するとか言うときは、目に見える効果や成果のないときなので、やってる感が出ているときは実は要注意なわけですね。

move the needle は「やってる感」とはある意味対極にあります。やってる感でごまかさない、ちゃんと目に見える影響が出るような、意味のある、実質的な変化や効果を生じさせることを move the needle と言います。

例文をいくつか。

We’re struggling to turn the data into decisions that will move the needle.
「データがあっても、それを効果的な意思決定につなげるのは難しい」

These apps are not really working to move the needle on weight loss.
「これらのダイエットアプリはだめだね。ちっとも体重が減らない」

To move the needle of economic growth, one needs roads, bridges and reliable energy supply. (Macmillan)
「目に見える経済成長を実現するには、道路や橋、安定的なエネルギー供給が必要だ」

いま思いついたんだけど、うちの体重計には針ありません。デジタル化が進むと、こういう表現は廃れてしまうのかしら。

それではまた。ごきげんよう。

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