木の低い位置に生っている実は、ちょっと手を伸ばせば、あるいはちょっと背伸びをすれば手が届き、簡単に捥ぐことができます。英語ではしばしば、少ない労力で容易に手に入るモノやヒトを、「低い枝に生る果実」にたとえます。
何気ないおしゃべりよりも、ビジネス英語でよく使われることの多いフレーズです。容易に達成できる販売目標とか、労せずして獲得できそうな顧客層とか、お金に困っていて簡単に買収できそうな会社とか。すべて「低い枝に生る果実」です。
We have a lot of things to do. Let’s start with the low-hanging fruit.
「やることは山ほどある。まずは簡単なところから片づけよう」
マーケティングの世界でも非常によく使われます。たとえば、新しいダイエット食品のターゲット顧客は若い女性だけど、彼女らに売るのはそう難しくない。なんて考えている場合、若い女性たちは「低い枝に生る果実」です。使い方を間違えると、チョロいぜ!みたいな感じになってしまうので、注意が必要ですけれど。
Your best customers are your current customers. They are low-hanging fruit.
「最高の客は既存の客だ。(すでに顧客関係ができているので)彼らは一番売りやすい相手だ」
このフレーズは、当然といえば当然ですが、しばしば動詞 pick といっしょに使われます。
Cambridge Dictionary にこんな例文が出ていました。
The easy changes have all been made. All the low-hanging fruit has been picked.
「簡単な変更はすべて終えた。低い枝の果実は採り尽くした」
簡単な仕事をすべて終えたら、待っているのは厄介な仕事ですね。たいへんだ。
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