便りがないのは良い便り。連絡がないのは無事に暮らしている証しだから、心配しなくていいよ。という意味のことわざです。
でもビジネスの世界では通用しません。取引先から来たメールを何日も放置して返信しなければ、大問題になります。
少し前のことになりますが、通訳のお仕事をしているときに、このことわざが使われる場面に行き当たりました。日米のエンジニアさんたちが集まって、システムレビューをしたときのことです。
日本人エンジニア:システムがこの処理を実行しているときに、何かエラーが出たらメールで通知がいきます。
アメリカ人エンジニア:処理が問題なく完了した場合、完了の通知は来るんですか?
日本人エンジニア:いえ。エラーなしの場合、通知は来ません。便りがないのは良い便りってことで。
どーです? ちょっとしゃれた使い方でしょ? まさしく当意即妙。
で、どう通訳したの?
No news is good news.
「便りがないのは良い便り」
英語でもよく使われる初級者向けのことわざです。
アメリカ人のエンジニアさんたちの反応は?
That’s a good one!
「うまいこと言うね!」
もちろん、うまいことを言ったのは日本人のエンジニアさんです。ちゃんと訳した私もエライ!と自慢したいところですが、まあ通訳なら(通訳でなくても)誰でも知ってる簡単なことわざですからね。さすがにエラそうな顔はできません。
さて!せっかくですから news という単語について大事なポイントをいくつか。
テレビや新聞の「ニュース」のほかに、誰かの「消息」、物事の「進展・進捗」の意味でも使われます。
news は一見複数形に見えますが単数扱いです。でも「a」はつきません。
Is there any news about the train accident this evening?
「夕方に起こった列車事故、何か進展あった?」
I have some news for you.
「君にちょっと知らせがあるんだ」
news の発音は /nuz/ です。日本語では「ニュース」だけど、英語では濁音「ニューズ」になります。オンライン辞書には音声情報もあるのでチェックしてみてね。
ではこのへんで。ごきげんよう。
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