英語には Welcome to the club! というイディオムがあります。すなおに訳せば「ようこそクラブへ!」です。日常会話でとてもよく使われます。でもいったい何のクラブなんでしょう。
クラブとはそもそも、研究や趣味など共通の目的を持つ人々の集まりです。問題は、何を共有するクラブかってことですね。
辞書を引いてみましょう。Macmillan Dictionary には【welcome to / join the club】という見出しがあります。定義を読んでみると。
used for telling someone that you understand an unpleasant situation they are in, because you are in the same situation
ざっと訳すと、好ましくない不愉快な状況に置かれた人に、「自分も同じ状況に置かれているので、君の気持ちはよーく分かるよ」と言いたいときに使うフレーズ。
私自身も実際に言ったり言われたりするんですが、その経験に照らせば、「よーく分かるよ」というシンパシーよりも、「なにも君だけの悩みじゃないでしょ?」というシニカルさを感じます。
たとえば、
Jill: These days, I feel like I’m spotting new lines and wrinkles every time I look in the mirror.
Amanda: Welcome to the club!
「最近、鏡を見るたびに小ジワが増えている気がする」というジルに、「安心して、私も同じよ」とアマンダが答えています。
Andy: You know what? I’m wearing reading glasses now.
「聞いてくれよ。俺もとうとう老眼鏡が必要な年だ」
Tim: Welcome to the club!
「おめでとう。俺もだよ!」
Jack: I want a raise!!!
「給料上げてくれー!」
Jill: Welcome to the club!
「私の給料も上がんないよー!」
Andy: I drank too much last night. My head is splitting.
「昨日は飲み過ぎた。頭がガンガンする」
Tim: Welcome to the club!
「こっちも同じだ」
言うのも言われるのもできれば遠慮したいイディオムではありますが、実際に使える場面はけっこうあります。機会があればぜひ使ってみてね。
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