翻訳のお仕事をしていたら、こんなイディオムが出てきました。意味は、なんとなく分かりますよね。日本語にも似たような言い回しがありますから。
英英辞典では (You) can’t fight city hall を an individual cannot combat bureaucracy or the government と説明しています。「一個人では官僚主義や政府と戦うことは不可能だ」という意味ですね。いわゆる「お上には逆らえない」というアレです。
city hall は「市役所」のことです。一応。
The Free Dictionary にはこんな例文がありました。
You might as well pay those parking tickets now because you’ll never win in court. You can’t fight city hall, after all.
「駐車違反の罰金はさっさと払ってしまったほうがいいと思うよ。裁判で勝てる見込みはないからね。なんだかんだ言ったところで、お上には逆らえない」
ただし! 逆らえない相手は文字通りの「お上」、政府とか行政に限りません。大企業であったり、時代に合わない法律や制度であったり。
場合によっては、日本語訳として、「お上には逆らえない」ではなく「長い物には巻かれろ」を使うこともあります。実際、今回の翻訳でも「長い物には」を使いました。
長い物には巻かれろ。自分より力の強いものや上位の者には、とりあえず従っておくのが無難で得策であるというたとえですね。
けっこう使います。知ってて良かった!ってこともあるかもですよ。
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