何かについて「これ、知ってますか?」「これ、分かる?」と訊きたいとき、英語ではしばしば be familiar with を使って表現します。日常会話でとてもよく使うフレーズなので、覚えておくと便利です。
英和辞典を引くと「熟知している、精通している」という定義を見かけます。確かに、「~に詳しい」とか「~についてよく知っている」という意味で使われることもあるのですが、日常的に使っている感覚からすると、必ずしも「熟知・精通している」必要はなく、「そこそこ知っている」「知らなくもない」程度でも使っているように思います。
たとえば、あなたは今、友人とあるエリアにいます。仕事を終えて、軽く夕ご飯を食べてから帰ろうということになりました。でもあなたはその周辺についてあまり明るくありません。で、隣の友人にこう訊ねます。
Are you familiar with this area?
「君、この辺詳しい?」
「詳しい?」とは訊いていますが、この時点で、あなたは相手に「ガイド本が1冊書けるほどこの周辺に精通している」ことを期待してはいません。何度か来たことがある、軽く夕ご飯が食べられるような店をひとつふたつ知っている程度でよいのです。
ところが友人は「天ぷらならここ、寿司ならここ、パスタならここ」とかなりの精通っぷりを発揮します。そこであなたはこう言います。
You must be very familiar with this area.
「君、この辺りについてかなり詳しいんだね」
で、相手はこう答えます。
I’m quite familiar with this area.
「この辺りについてはけっこう詳しいよ」
ほんとうによく知っている場合は上の二番目と三番目の例文にように very、quite などの副詞を付けるとよいでしょう。
反対に、「なんとなくなじみがある、見覚え・聞き覚えがある」というときには、vaguelyという副詞を使います。Macmillanにはこんな例文が載っていました。
His face looked vaguely familiar, but I couldn’t think why.
「彼の顔にはなんとなく見覚えがあるんだけど、なぜだろう….」
基本の構文として、Are you familiar with this? と覚えておくといいかもしれません。たとえばごく最近の実話から。あるアプリを使おうとしたのだけど、使い方がよく分からない。で、隣にいた知り合いに「ねえ、これ分かる?」と訊くような場面がありました。「ねえ、これ分かる?」英語でいうとまさにこれ。
Are you familiar with this?
「これ、分かる?」
最後まで読んでくれてありがとう。
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