happy medium:幸せな中間

和製英語ではありません。歴とした英語です。ぱっと見は「幸せな中間」ですが、そう訳されることはまずありません。最近読んだマーケティング関係の業界誌ではこんな感じで使われていました。

あるライブストリーミング配信サービスが配信事業者とストリーマーの利益分配率を変更した(ストリーマー側の取り分を減らした)ところ、やっぱり大ブーイングが起こりました、という文脈です。

あるストリーマーがこうコメントしていました。

「採算度外視で100%クリエイター重視が無理なことは分かるが、ビジネス一辺倒も納得がいかない」。そしてこう続けたのです。

There has to be a happy medium.
「幸せな中間があってもいいはずだ」

幸せな中間というのは折衷案であり妥協案です。両者がちょっとずつ譲歩して、まずまず満足できるところで折り合いをつけることです。日本語では「足して二で割る」と表現することもあります。

happy medium でワークライフバランスというフレーズを思い出しました。

Many companies are trying to hit a happy medium between work-from-home and return-to-office.
「多くの企業が在宅勤務とオフィス復帰の妥協案を見いだそうとしている」

It can be difficult for working mothers to find a happy medium between maintaining their careers and caring for their families. (The Free Dictionary)
「働く母親たちにとって、仕事と家庭の両立は容易でない」

もちろん、「幸せな中間」をちゃんと見つけるケースにも使えます。

The car’s designers have struck a happy medium between affordability and luxury. (Merriam-Webster)
「その車の設計者たちは値ごろ感と高級感のバランスを実現させた」

こういうフレーズを覚えるときは、いっしょに使われる動詞もおさえておくと実用的です。例文にもある通り、hitfindstrike などがよく使われます。

今日はこのへんで。ごきげんよう。

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