We’ve been expecting you:お待ちしておりました

「鈴木さま、お待ちしておりました。どうぞこちらへ」この「お待ちしておりました」は、英語では動詞 expect を用いて表現します。今日はこの expect の使い方についてお話しします。

動詞 expect はしばしば「誰かの到着を待つ」という意味で用いられますが、もともと「予期する・期待する」という意味ですから、来るのか来ないのか分からない人を待つのではなく、あくまでも「来ることを想定して待つ」ときに使います。

例文を見ながら説明しましょう。

I’m expecting a visitor this evening.
「今晩、来客の予定がある」

直訳するなら「私は今晩、お客さんが来るのを待っています」なのですが、もっと自然な日本語にするなら上の訳文あたりになるでしょう。

さて表題の英文。ビジネス英語の例文集に出てくるような英文です。

We’ve been expecting you.
「お待ちしておりました」

今の今まである一定の時間、あなたが来るのを待っていた。そういう意味で現在完了進行形を用います。会社に来たお客さんに「お待ちしておりました」と言いたいときに使います。

ついでにもうひとつ。会社の受付に「鈴木さんにお会いしたいのですが」という人がやってきました。受付係のあなたはこう訊ねます。「(鈴木と)お約束はございますか?」英語ではなんというでしょう。便宜上、鈴木さんは男性ということにしましょう。

Is he expecting you?
「(鈴木と)お約束はございますか?」

直訳すると「彼(鈴木)はあなたが来ることを想定して、あなたの到着を待っているのですか?」という内容になるのですが、要するに、「あらかじめ会う段取りになっているのかどうか」を訊いているわけで、そのため「お約束はございますか?」という日本語になるわけです。この場合は、鈴木さんが今も待っている状態が続いているため、現在完了進行形ではなく、普通の現在進行形を使います。

さて。ここでちょっと気をつけておきたいことがあります。We’ve been expecting you の expecting を waiting for と置き換えることができるかという問題。できないことはありませんが、置き換えると意味が微妙に違ってきます。

We’ve been waiting for you.
※ 使うときは要注意!

これはお約束の時間をとっくに過ぎて、ようやく相手が現れたときに使います。遅れてきた相手に「遅いじゃないか!」と言いたいときに使う表現なのです。プライベートな文脈ではよく使う言い回しなのですが、お仕事絡みの場合は使わないほうが無難です。

時間を過ぎても現れない相手にも使えます。例えば、あなたは友人と待ち合わせをしています。約束の時間を過ぎても相手が来ない。1時間も待ったところで相手から電話が来ます。

Where are you? I’ve been waiting for you for an hour!
「今、どこだ? もう1時間も待ってるんだぞ!」

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